入試地理の解答速報に思うこと

めちゃくちゃオタクの自分語りみたいなタイトルになってしまった。

2021年東大入試地理設問B(2)と解答速報

www.yomiuri.co.jp

 「(2)表に挙げられている国(the_gulf_of挿注:中国,A:インド,日本,B:韓国,C:マレーシアのアジアの5か国)の間で,オーストラリアは,人気の高い留学国となっている。理由として考えられることを2つ,あわせて2行以内(the_gulf_of挿注:設問番号を含めて60字)で述べなさい。」(2021,東京大学)という問題があります。表中の留学生の受け入れ国は、オーストラリアの他にカナダ・イギリス・アメリカが示されています。

 この問いでは、留学生の人数の情報以外は与えられていません。知識を元にして因果関係がありそうなものを書いていくことになるでしょう。

 各予備校の解答速報で提示されている解答(リンクは3/1の14時現在)は以下の通りです。

駿台

https://www2.sundai.ac.jp/sokuhou/2021/tky1_tir_1.pdf

・河合

https://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/21/t01-53a.pdf

代ゼミ

sokuho.yozemi.ac.jp

・東進

27.110.35.148

Z会(3/2公開予定のため執筆時は未公開)

 

速報解答の比較とそれに思うこと

 駿台をはじめ多くの予備校では1つめの理由を距離と時差の小ささ、2つめを多文化主義としています。河合塾は1つめを「良好な生活環境」とし、2つめでは多文化主義という語彙を用いませんでした。代ゼミは1つめがやや曖昧で、いろんな含意があるように読めます。

 

 設問では、オーストラリアがアジアの5か国の間で人気の留学先である理由を求められています。概ね要求に沿った回答ではあると思いますが、気になるのは「カナダ、イギリスやアメリカとの比較」についてです。

 1つめの理由では各予備校が意識しているように、地域の特徴は他地域との差異として現れます(し、学習指導要領においても「社会的視点」における比較の重要性はかなり強調されています)から、オーストラリアにあって他国にはない特徴を見つけることが理想だと思います。

 多文化主義はオーストラリアのみならずカナダでもかなり注力されてきた政策です。「多文化主義はオーストラリアと他国の違いとしては弱すぎるのではないか」と、自分が受験生だったら迷うところです。

 どうすればよかったのか?まではないので「思うこと」でおわりですが…